写真
Print Note – 7
optional point(任意の点)/ gelatin silver print
左がマチ針で右がその影です。先ほどのデジタルプリントの「donuts」に続けて言うと、「影」も版表現の一種だと思います。「一種」というより、「元祖」かも知れません。デジタルデータの様に版(ここではマチ針)を操作する事は出来ませんが、マチ針のライン(版)に従って影(画)ができます。この作品はゼラチンシルバープリント、つまり白黒写真です。嵯峨芸では版表現のひとつとして写真も体験し、暗室で自ら写真のプリントもします。
an optional point / gelatin silver print
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鏡像
Print Note – 8
note o tatamuto / foil pressesd print
「♪ ポケットを叩くとビスケットがひとつ・・・」のイメージで、「♪ ノートをたたむとチョコレートがひとつ・・・」、です。
マチ針の「影も版画の仲間だ」に更に続けて言うと、「鏡」も版表現のひとつだと思うのです。
「版」を何らかの事物、「画」をそれが鏡に映ったものとすると、版に呼応して鏡という紙に版にそっくり忠実な画を結ぶ、そして瞬間に反応して版と同時に画が変化する事。普通には鏡に映ったものを「版画」とは言えませんが、版画のひとつの側面を象徴的に表していると思います。
note o tatamuto / foil pressed print
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デジタル・プリント
Print Note – 9
12colors / typeC-print
みんながよく知っている、いわゆるカラー写真です。ただこれは「多重露光」と言う、ちょっと変わった撮影をしています。その詳しい説明は省きますが、露光量を段階的に増やしていく事で、実際は同じ色のオレンジクーピーなのに濃さが違って映るんです。赤、オレンジ、黄色、…の12色セットではなくて、好きなオレンジ色だけのセットです。普通、写真は現実をそのまま写し取る事を、得意技としていると思いますが、この様に空想、絵空事を現実の様に表現する事もできます。
どの版種にも言えることですが、技法は基本はあっても限定されることはなく、応用を効かせる、時に新しい技法や、時には概念を見つけ出す「あそび」の余地があるところが面白いと思います。
24colors / c-print
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