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book art ''Print Note''

孔版

Print Note – 3
omou tsubo / silkscreen print
シルクスクリーンは紙だけでなく、木だとかいろんな素材や、立体的なものにプリントができ、とても自由な版種です。左の「版」と右の「画」との関係は、「アイデアから作品へ」という、一方向のプロセス上の関係ではなくて、お互いに影響を与え合う、対等な関係・・・言ってみれば双子の様な関係だと思っています。「版」により「画」ができるのは勿論の事ですが、「画」によって「版」が作られる、とも言えます。私たちは、「画」をイメージしながら「版」を作り、「画」を見て「版」をイメージし、そしてまたイメージされた「版」で「画」をイメージします。このエコーするイメージの運動が版画の独自の思考のひとつだと思っています。そして「版」も「画」も、つまりプロセス自体が、魅力的なのです。
そんな事を思いながら、この冊子を作りました。この「想う壺」の「版」と「画」は同じラインを持つけれど、それぞれに空白があり、それを埋め合う様に仲良く二つが並んだ様子がこの冊子「print note」の全体のメッセージに代わるかと思い、一番に紹介しました。

” 想う壷 ” /スクリーン・プロセス
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book art ''Print Note''

凸版

Print Note – 4
room share / woodblock  print
子供の時、母が姉妹喧嘩をしないように、同じ机やベッドを用意してくれました。左右対称に家具が配置されたちんまりした子供部屋は、今思えば二葉の様で愛らしいものでした。木版は色んな意味で暖かい表現が得意だと思います。
” room share ” / 小口木版
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book art ''Print Note''

凹版

Print Note – 5
copper engel, paper engel / copperplate print
銅板の魅力は色々、人によっても様々なのですが、私は中でも、この細くて濃厚な線が大好きです。この美しさは、実際に見ないとわからないかも知れません。是非とも嵯峨芸で本物を観て頂きたいと思います。版(左)の「copper angel」も画(右)の「paper angel」に負けず、ピカピカと美しいです。
” 銅のエンゼル、紙のエンゼル ” / 銅版画
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book art ''Print Note''

デジタル

Print Note – 6
donuts / digital print
版の指す意味はどんどん広がり、目に見える、触れられるものに限らず、目には見えない、触れられない「データ」も版の一種だと思っています。
データが「版」、それを出力したものが「画」です。データを操作し、出力する紙等を選ぶ・・・これはいわゆる「版画」ととてもよく似たプロセスです。今や版画はカタカナ英語でいう「プリント」全般だと言えます。

doughnut / digital print
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book art ''Print Note''

写真

Print Note – 7
optional point(任意の点)/ gelatin silver print
左がマチ針で右がその影です。先ほどのデジタルプリントの「donuts」に続けて言うと、「影」も版表現の一種だと思います。「一種」というより、「元祖」かも知れません。デジタルデータの様に版(ここではマチ針)を操作する事は出来ませんが、マチ針のライン(版)に従って影(画)ができます。この作品はゼラチンシルバープリント、つまり白黒写真です。嵯峨芸では版表現のひとつとして写真も体験し、暗室で自ら写真のプリントもします。

an optional point / gelatin silver print
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book art ''Print Note''

鏡像

Print Note – 8
note o tatamuto / foil pressesd print
「♪ ポケットを叩くとビスケットがひとつ・・・」のイメージで、「♪ ノートをたたむとチョコレートがひとつ・・・」、です。
マチ針の「影も版画の仲間だ」に更に続けて言うと、「鏡」も版表現のひとつだと思うのです。
「版」を何らかの事物、「画」をそれが鏡に映ったものとすると、版に呼応して鏡という紙に版にそっくり忠実な画を結ぶ、そして瞬間に反応して版と同時に画が変化する事。普通には鏡に映ったものを「版画」とは言えませんが、版画のひとつの側面を象徴的に表していると思います。

note o tatamuto / foil pressed print
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12E13-2
book art ''Print Note''

デジタル・プリント

Print Note – 9
12colors / typeC-print
みんながよく知っている、いわゆるカラー写真です。ただこれは「多重露光」と言う、ちょっと変わった撮影をしています。その詳しい説明は省きますが、露光量を段階的に増やしていく事で、実際は同じ色のオレンジクーピーなのに濃さが違って映るんです。赤、オレンジ、黄色、…の12色セットではなくて、好きなオレンジ色だけのセットです。普通、写真は現実をそのまま写し取る事を、得意技としていると思いますが、この様に空想、絵空事を現実の様に表現する事もできます。

どの版種にも言えることですが、技法は基本はあっても限定されることはなく、応用を効かせる、時に新しい技法や、時には概念を見つけ出す「あそび」の余地があるところが面白いと思います。

 

24colors / c-print
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