この度 Gallery OUT of PLACE TOKIO では三宅砂織と山本優美による二人展『Why Did I Laugh Tonight』を開催いたします。
18世紀末から19世紀初頭イギリスに生きた詩人ジョン・キーツは、
或る晩「死は烈しい 死は生きたことの証だからだ」という結論に達し、「それ」を唐突に理解する。
そしてノートにこんなタイトルの詩を走り書きした(かもしれない)。
Why did I laugh tonight?
解けるはずのない謎が解けた時、人は笑う。
しかし笑った瞬間、その確信は指の隙間からこぼれ落ちてしまうものだ。
印画紙の上の銀塩の粒子も、高温で焼成された土の粒子も、
まるでメドゥーサの輝く目を見て「石」に変身してしまった人間のように、
それ以上色褪せる事のない不朽不変の世界に行く事を運命づけられたものだ。
しかしそれらは命を失ったかに見えて、実は永遠の存在になった事でもある。
ネガポジ反転を繰り返し、影の中に複層的な精神性を見いだす三宅砂織と、
布や衣類の肌理に潜む時間や記憶を、陶の中に定着させようとする山本優美。
2人の作品に宿る永遠をどうぞこの機にご高覧下さい。